こんにちは!
京都の野菜の会社で働いています、みふみです。
突然ですが、みなさんはお野菜すきですか?農業って聞くとどんなイメージを持ちますか?
いまはコロナ禍もあり、「生産者さん、農家さんを応援しよう」という声もよく聞きます。
わたしも以前から自然や畑がすきなので、漠然と「農家さんのためになにかしたい」って思っていました。
けれど日々野菜と向き合っているなかで
「あれ?自分が考えていた農家さんってだれだったんだ?
農家さんのために、ってだいぶ漠然としすぎていたな…」
とだんだんわかってきました。
そんなわけで今回は
「農家さん」って言ってもいろいろいるよね!
というのを考えていきたいと思います。
農家さんって一括にできない
さっそくですが、こちらの動画を見てみてください。
たまたまYou Tubeで見つけたのですが「the 北海道の大規模農業」のじゃがいも収穫です!
もう、
畑が広大!!!!機械が大きい!!!!
お次にこちらもご覧ください。
こちらは、わたしの会社でも扱わせてもらっている
高知県のキセツノオヤサイ葉屋さんのじゃがいもの収穫の動画です。
のほほんとします😊
おなじ「じゃがいもの収穫」ですが、
畑の広さも、作業する人数も、機械も違うことがわかります。
「飲食店」と言っても
全国にあるチェーン店もあれば、その地域にしかないお店もあります。
単価を安く、たくさんの人にたのしんでもらいたい、っていうお店もあれば
お客さんの数が多くはないとしても、単価を上げて、価値を提供したい、っていうお店もあります。
牛丼専門のお店もあれば、ファミレスのようにいろいろたのしめるお店もあります。
農業もそれと同じなんですよね。
- どれくらいの規模でやっているのか
- なにを栽培しているのか
- どんな栽培方法なのか
などによって、目指すべき道、抱える問題や課題、お客さん、流通物流も全て変わってきます。
当たり前といえば当たり前ですが、
わたしはそんなことを考えたことがありませんでした。
では、なにが違ってくるのでしょう。
規模のちがい

まずはわかりやすく、規模を考えてみましょう。
大規模農家 | 中規模農家 | 小規模農家 | |
---|---|---|---|
畑の広さ | とても広い | 大と小のあいだ | せまいor点在している |
従業員 | 10人以上 | 家族と 研修生orパートさん数名 | 家族 |
特徴 | 効率的に大量生産できる 大きな機具が使える | 大規模に比べると効率が悪い 収穫量が少ない | |
価格 | 大量に栽培できる →価格をおさえて大量に売れる | 大規模に比べると非効率 →少量だから価値をつけて高く売りたい | |
流通 | 大量に買ってくれる 市場流通◎ 契約栽培◎ | 市場流通× 直接取り引き◎ | |
食べてくれる人 | 誰か見えない | 直接届けられる | |
問題、課題 | 周りの価格に左右される | 非効率なことも多い 収穫量が少ない |
農家さんと言っても
ポテトチップスのじゃがいもを栽培されているような、広大な土地で栽培している農家さんもいれば
半農半X的に、自分たちが食べれる分+αの農業をしている人も農家さんもいます。
どこからどこまでが大規模で、どこから小規模か、だなんていう明確なルールはありません。
そもそもこの日本に大規模農家はいないんだ。という考えもあると思いますが。。。

農家さんの規模も大〜小までいろいろ。
栽培品種のちがい
次に栽培品種です。

大量小品種 | 中量中品目 | 少量多品種 | |
---|---|---|---|
量 | 大量 | 中 | 少量ずつ |
品目・品種 | 品目を1,2に絞る | 2〜5品目に絞って栽培 | 10〜20品目以上 |
効率、手間 | ◎ | ○ | △ |
価格 | 大量に作るので安い | 一つ一つの単価が高い | |
流通 | 市場流通◎ | 直接取り引き◎ | |
問題、課題 | 手間がかかる |
普段スーパーやお店で野菜を買っているだけでは気づかなかったのですが
農家さんによってつくっている野菜もそれぞれです。
農家さんの中には、↑のじゃがいも畑のように
一つの野菜に絞って大量に栽培している農家さんもいれば
2,3品種に絞って栽培している農家もいます。
なぜ違うの?と言ったら、農家さんもいろいろだからです。
- 畑の大きさがどれくらいなのか
- 農家さんの経営方針
(大量に栽培して効率よくするのか、多品目作って多様性や価格をとるのか) - 農家さんの栽培したい野菜なのか
(トマト農家になりたいのか、いろいろなものを栽培してみたい!っていう農家さんなのか) - 農家さんの得意不得意の野菜なのか
(農家さんによってもトマトはうまくいくけど、ナスはうまくいかないんだよなってある) - その土地や時期に向き不向きなのか
(各地方、土壌の状態によって、合う合わない野菜もある。
冬は雪が積もるので栽培できないなど気候、地形、時期も影響する。) - 貯蔵庫があるのか、ないのか
(葉物野菜は収穫してすぐに出荷されるため貯蔵庫いらないけど
じゃがたまにん、かぼちゃ、さつまいもなどは貯蔵庫あれば長く出荷できる、とか。) - JAなどから指定されているのか
(JA⇔農家さんの関わりは勉強中なので教えてくださいm(_ _)m)
なにを作っているか、量も品種もいろいろ。
慣行農業と有機農業
次に栽培方法のちがいです。

栽培方法もさまざまです。
いわゆる「慣行栽培」という栽培方法の農家さんもいれば
「有機JAS」という認証をとっている有機栽培をしている農家さんもいます。
その他にも、特別栽培、自然栽培、自然農、、、、
またまたそれぞれの栽培方法でも、
肥料をどうするか、農薬をどうするかの、除草作業をどうするか、土を耕すのか耕さないのか、、、、
と農家さんの数だけ栽培方法やこだわりポイントが違います。
野菜を作る方法もいろいろ。
はじめかたのちがい
また農家さんも、
元から業が農家なのか、新規就農なのか、でも違ってきます。

既存農家(代々農家) | 新規就農(新規参入) | |
---|---|---|
土地 | 代々ある土地を使える | 自分で新しく土地を見つける |
技術 | 教えてくれる人がいる | 自分でゼロから勉強する |
農機具 | 使えるものが揃っている | 自分でゼロから揃える |
販路 | 既にある | 自分で開拓していく |
課題、問題 | 高齢化、後継者不足 | はじめるのにハードルが高い |
農家さんと言っても、既存農家さんのように
おじいちゃんお父さんが農家さんで元から土地を持っていてそれを継ぐ農家さんもいます。
また、新規就農、新規参入と言われる、
自分から農業をはじめる農家さんもいます。
そして改めて考えると、農業の新規参入ってとてもハードルが高そうです。
ただでさえ、「稼げない」「自然や災害、気候にも左右される」というイメージがあるのに
技術も勉強し、機械も自分で購入し、畑の探して、売り先も探す、、、
新しくはじめるってすごい。。。
既存農家なのか、新規参入なのかもいろいろ
農家さんって言ってもいろいろだ

農家さんを
規模、栽培品種、栽培方法、はじめ方でいろいろ違うんだな。
というのを考えてみました。
よくよく考えてみれば、わかるけど、よくよくも考えたことがなかったんです(笑)
どれがいい、悪いではなく、
大きくても小さくても、大量でも少量でも、慣行でも有機でも、既存でも新規でも
農家さん自身のスタイルの違いであるし、わたしたちの食を豊かにしてくださる存在です。
(全ての農家さんに感謝です(T_T)ありがとうございます!)
わたしは普段
「小中規模」「中量中品目〜少量多品目」「有機栽培」「新規就農」
の農家さんのお野菜を扱っているため、
他の農家さんいついては勉強不足ですm(_ _)m
今後少しずつ勉強していきたいと思います!
次回は「野菜流通」について考えていきます。